ブレーキパッド・オイル類の卸販売業

Cases of film formation failures

西日本エリアのサーキット使用におけるブレーキパッドの取り扱いについて追記しています。

被膜形成が失敗した事例

被膜形成がうまくいかなかったローター表面の状態です。
摩材がローターに不均一な状態で付着してブレーキジャダーが発生。
下の画像を選択して上の画像にカーソルを当てると拡大鏡にてご覧いただけます。

スポーツパッドやレーシングパッドの被膜形成について

スポーツパッドやレーシングパッドの被膜は、カーボン被膜や酸化被膜とも呼称されています。
被膜の成分はカーボンだけでなく色々な原料が溶けて付着しています。
被膜形成は、パッドの摩擦材原材料やローター表面温度、パッドとローターの圧着具合(ブレーキを掛ける強さ)によって被膜の成分や厚さが変化します。

特にサーキット走行対応のブレーキパッド等では、被膜をローターに形成する事でパッド摩耗やローター摩耗が変化したり、効きの安定や特性が変わってきます。
トラブルローター トラブルローター
被膜はローター温度やブレーキを掛ける圧力によって変化しますので、絶えず形成されたり剥がれたりを繰り返しています。(温度が高いと熱くなり、低くなると薄くなります)
使用状況により被膜形成にムラが出たりする事もありますが、走行上不具合が無ければ神経質になる必要はありません。
上画像は低速主体のストリート走行時に被膜が剥がれてしまいましたが、スポーツ走行時には再び被膜が形成されていきブレーキジャダーも発生していません。
比較的高温域に強いブレーキパッドで低速走行が多くなる走行状況時には被膜の剥がれが発生し易くなります。

メインとなる使用状況と選択するブレーキパッドの摩擦材特性がマッチしていれば特に問題はありません。
問題なのはパッドの性能云々よりも、使用環境に合ったパッド摩材を選択し、適合しているかどうかの方が重要な事だと言えます。

【推奨されない事例】
重量車向けのパッド摩材を低負荷の軽量車に装着。(使用車輌に対して使用パッドがオーバースペック)
街乗りで殆ど低速走行が多くブレーキ負荷が掛からない(常に低踏力)状態で高摩擦系のパッド摩材を装着。
必要以上なオーバースペックになると、被膜が形成される前に効きすぎて減速が完了してしまう為、被膜形成に必要なブレーキ圧力が掛けられず、常に低踏力な状態で使用する事になり扱いづらくなります。
また、被膜が無い状態での使用環境下ですとパッドの摩耗を抑制したり、ロータ摩耗を抑制する機能が低下してしまい、最悪被膜が斑状になりジャダーが発生する原因となる事があります。(画像参照)